VTP①

VTP概要

VTP(Vlan Trunking Protocol)とは、VLANの情報を他のスイッチと同期させる仕組み。

シスコ独自の機能であり、同期対象は、VLANの作成・削除・名前。

※各機器に設定されているtrunkで許可するVLANやポートに割り当てたVLANの設定は同期されない。

 

多数のスイッチが導入されているネットワークでは、VTPを導入することにより

VLANの作成・削除の設定変更を1台のスイッチで行い、他のスイッチは同期することで同じ設定変更を行えるため、作業の簡略化できる。

 

VTPドメイン

VTPには、ドメイン(グループ)という仕組みがあり、同じドメイン内のスイッチ同士のみ

VLANの設定を同期できます。

ドメインは1つのみ参加可能。

ドメイン内のスイッチには、4つの役割(モード)があります。

※デフォルトは、サーバーモード

 

・サーバーモード

 VLANの作成・変更・削除が可能。トランクポートを通ってVTPアドバタイズメントを送信して、同期をさせる

 

・クライアントモード

 VTPアドバタイズメントを受信して、VLAN情報を同期する。

VLANの変更は可能だが、作成・削除は行えない。

 

・トランスペアレントモード

 VTPアドバタイズメントを送受信可能だが、VLANの同期は行わない。

 VLANの作成・削除は行えるが、同期しないため

 トランスペアレントモードのスイッチで作成されたVLANは、他のスイッチには同期されない。

 

・オフモード(一部のスイッチのみ利用可能)

 VTPを完全に無効にするモード。

 トランスペアレントモードと動きはほぼ同じ。違いは、アドバタイズメントを転送しない。

 

VLAN情報の保存について

サーバーモードとクライアントモードは、VTPで同期したVLAN情報を

フラッシュメモリ(揮発性)のvlan.datに保存する。

よって、show runやshow startでは確認できない。

 

トランスペアレントモードは、runnning-configに保存する。

copy run start(wrime memory)すれば、NVRAM(不揮発)に保存され、show startup-configで確認可能。

 

VTPパケットについて

VTPパケットには、下記が含まれている

・VTP プロトコル バージョン: 1、2、または 3
・VTP メッセージ タイプ:
  要約アドバタイズメント
  サブセットアドバタイズメント
  アドバタイズメント要求
・VTP 加入メッセージ
・管理ドメイン
・管理ドメイン名 

 

VTPアドバタイズメントについて

VTPアドバタイズメントには3種類ある

要約(サマリー)アドバタイズメント

 デフォルトでは5分(300秒)間隔で送信。

 VTPバージョン、VTPドメイン名、リビジョン番号(シーケンス番号と同じ役割)、タイムスタンプが含まれる。

 ※パスワードが設定されている場合は、MD5の情報も含まれる。

 

サブセットアドバタイズメント

作成・削除したVLANの情報が含まれている。

サマリーアドバタイズメントの後に送信される。

 

アドバタイズメント要求

要求するタイミングは下記

・スイッチがリセットされた時

ドメイン名が変更されたとき

・自身が認識しているリビジョン番号より大きいアドバタイズメントを受信した時

要求を受信したスイッチは、サマリーアドバタイズメントを送信、その後にサブセットアドバタイズメントを送信する。